今月のことば2025年04月③

天上天下唯我独尊

四月八日は、お釈迦さまがお生まれになった日です。

お釈迦さまは、お生まれになってすぐに七歩歩まれ、右手で天を、左手で地を指さし、「天上天下唯我独尊」とおっしゃったと伝えられています。

この言葉を、「自分が一番偉い」という意味だと思っておられる方も少なくありません。しかし、お釈迦さまが伝えたかったのは、そのようなことではありません。

私たちは、「偉い」と「尊い」を同じように考えてしまいがちです。

しかし、「偉い」は、人と比べる言葉です。勉強ができる、仕事ができる、地位が高いなど、誰かとの比較の中で生まれる評価です。

一方、「尊い」は、人と比べる言葉ではありません。

赤ちゃんも、高齢の方も、病気の人も、元気な人も、偉い人も、そうでない人も、一人ひとりが誰にも代わることのできない、かけがえのないいのちをいただいています。そのいのちの尊さには、何の違いもありません。

浄土真宗では、その尊さは、自分の能力や努力によって得られるものではなく、阿弥陀さまの大きな慈悲に包まれ、生かされているいのちだからこその尊さであるといただきます。

お釈迦さまの「天上天下唯我独尊」というお言葉は、「私が一番偉い」という宣言ではなく、「この世に生まれたいのちは、一人ひとりがかけがえのない尊いいのちである」ということを、身をもって示されたお言葉なのでしょう。

四月八日の花まつりは、お釈迦さまのお誕生をお祝いする日です。そして同時に、自分のいのちも、目の前の人のいのちも、誰とも比べることのできない尊いいのちであることを、あらためて味わわせていただく一日にしたいものです。

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