ハンセン病訴訟勝訴11周年記念シンポジウム 今こそ考えようハンセン病

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  趣 意  
「ハンセン病訴訟勝訴記念シンポジウム」は、ハンセン病患者・回復者への隔離政策の違法性と国の賠償責任を認めた2001年の熊本地裁判決を機会に始まりました。これまで多くの方々のご協力を得ながら、ハンセン病問題の根本的解決と、回復者の方々とふるさと富山を結ぶ絆が強くなることを期待して取り組んで参りました。昨年は10周年を節目に「何故、富山に住む私たちがハンセン病問題に取り組むのか」と、その原点に立ち返りながら国や自治体の責任とともに、未来に語り伝えていく私たち市民の課題についても考えました。11周年となる今年、また新たな決意でハンセン病問題を皆さんと一緒に考え取り組みを前進させたいと思います。
国は3年前に6月22日を「らい予防法による被害者の名誉回復及び追悼の日」と定め、昨年には「ハンセン病問題の解決にむけて全力を尽くすことを表明する」と明記した碑文を厚生労働省前に設置しました。
しかし今、行政改革推進法及び閣議決定により、全国の療養所でも医師や看護師・介護職員などの削減と新規採用が抑制され、介護ケアなど質の深刻な劣化が生じています。療養所では、入所者の高齢化、認知症の増加、障害の重篤化が一層進んでおり、国会でも衆参両院で定員削減計画から療養所を対象外とする決議が採択されました。しかし、未だ何ら有効な手立てが打たれていません。そこで「全国ハンセン病療養所入所者協議会」(全療協)は、事態の打開をめざして「入所者を守るため、命をかけて行動したい」と平均年齢80歳を超える方々が41年ぶりに座り込みとハンガーストライキを決めました。
国の法的責任に基づく療養所の生活や医療の充実に最大限努めることを約束した地裁判決の控訴断念と和解の教訓が置き去りにされています。
また、真相究明でも、歴史的建造物の保存や重監房復元(再現)事業、再発防止検討会の提言や将来構想実現にむけた取り組みなど重要かつ緊急な課題も山積しています。
その一方で、東京・多磨全生園や熊本・菊池恵楓園などでは、保育所が開設され、入所者と園児の自然な交流が始まっています。地域住民との共同の施設として期待されます。支援の輪も、全国で施設訪問や里帰り支援、学習教育など少しずつ広がっています。
今年のシンポジウムは、哲学者の高橋哲哉さんと全療協会長の神美知宏さんを招いて開催します。高橋哲哉さんは、近著『犠牲のシステム 福島・沖縄』で、「犠牲のシステムでは、或る者の利益が、他のものの生活を犠牲にして生み出され、維持される」と指摘されています。ハンセン病問題の現状を学ぶとともに、その様な課題を通して、この問題を捉え直し、皆さんと一緒に、あらためてハンセン病問題解決にむけて、今、富山で出来ることについて考えたいと思っています。
どうぞ多くの皆さんが参加されますことを心よりお願い申し上げます。
 
ハンセン病問題ふるさとネットワーク富山
日時 2012年9月7日午後6時30分(開場午後6時)
会場 富山大学黒田講堂(五福キャンパス)
講演 高橋哲哉さん(哲学者)
シンポジウム
   パネリスト:高橋哲哉さん(哲学家)・神美知宏さん(全国ハンセン病療養所入所者協議会会長)
   コーディネーター:藤野豊(敬和学園大学教授)