212 木の歴史

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 先月12から13日にかけて国立療養所多磨全生園に行ってきました。全生園はハンセン病の療養所で、この施設はハンセン病患者をすでに隔離する必要がないと知っていても強制隔離す続けた施設です多磨全生園だけがそうなのではなく、日本にあるすべてのハンセン病療養所はそういう施設なのです。。そこにはまだ回復者の皆さんが住んでおられます、住まわされています。
 そこにある仏教施設で花まつりがつとまるということで参加してきました。ちょうど桜も満開、少し散り始めていて、桜符引き舞う状態でまさに花まつりでした。花まつりの行事辞退は淡々と終わったのですが、その後、元気な回復者の皆さんと結構遅くまで花見をして楽しみました。全生園にはたくさんの桜が植えられており、今はこの地域の桜の名所となっているそうです。
 その中である型が、園にあるいろんな木の思い出を語ってくださいました。誰が植えて、何時植えたとか。その人はこういう人だったと。その話を聞きながらその木を見ていると植えられた当時のことが知りもしないのに目に浮かんできました。木には歴史があり、思いがあって植えられているのだと、そう感じました。
 今私たちが花見を楽しむ桜は大概ソメイヨシノです。この木は自生して増えたのではなく、みんな接ぎ木によって増えていったそうです。種によって増えることはない品種だそうです。ですから誰かが植えたものなのです。
 今桜の名所となっている多磨全生園の桜も誰かが植えたものです。強制隔離された人々が植えたものなのです。どんな思いで植えて行かれたことなのでしょうか。今以上にハンセン病に対する差別が激しく、家族に会うことすら出来なかった方々がたくさんおられます。また以前は園の外に出ることが許されなかったりした時代もありますし、その後でも出ることをためらわざるを得なかった方々がたくさんおられたそうです。その方々が満開に花開く日を頭の中で描かれ植えて行かれたことなのでしょう。ハンセン病療養所の木には歴史があり、たくさんの思いが込められて植えられていることを改めて知らせていただきました。そういう歴史を、後世に、いや今いろんな人々に伝えないとと強く感じた次第でした。