第八回真宗大谷派ハンセン病問題全国交流集会

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一人ひとりの京都宣言2011
 2011年4月、私たちは京都・東本願寺に集い、「人間に帰ろう一しんらんさんと考えるハンセン病問題-」のテーマのもと、ハンセン病問題のこれまでに向き合い、これからを考え、そして共に、この問題の全面解決に向けた道を歩み抜く決意をいたしました。
 本年は、「らい予防法」が廃止されて15年、その法律の持つ非道さを厳しく問うた「らい予防法違憲国家賠償請求訴訟」勝訴判決10年の年です。
 そして真宗大谷派にとっては、宗祖親鸞聖人七百五十目御遠忌法要を厳修する年であり、隔離政策への協力を謝罪し、教団あげてハンセン病問題に取り組んでいくことを表明して15年の節目の年となります。
 さらに東日本大震災の発生が、私たちに2011年を決して忘れることができない年とさせました。
 ハンセン病問題をめぐるこの15年は、ハンセン病回復者の声が市民に届き、そして国を動かす、まさに激動の時でした。その中で、ハンセン病問題基本法の制定など、「公の解放」は大きく進みました。しかし、そのことが本当に「一人の解放」につながっているのかと言えば、いまだに道は半ばです。
 東日本大震災の発生により交流集会の開催自体が危ぷまれる中、私たちが間いた声は「この問題は待ったなしなのです」という回復者の悲痛な叫びでした。その待ったなしという言葉には、まさにこれまでの取り組みの中で見えてきた課題のすべてがつまっていました。
 「予防法廃止がもう10年早ければ」「あと5歳若ければ」。隔離の被害者の方ノマのこの実感は、隔離の時間があまりにも長かったことを象徴するものです。
 今、私たちは「失った時間を取り戻す運動」をはじめなければなりません。
 「時間を取り戻す」、それは回復者の方ノマにとって、家族、故郷、名前、安心して生活するということ、それら奪われたあらゆるものを今、ふたたび取り戻す生き方をはじめることだと思います。私たちが選はなければならないのは、その生き方に共感し、「隣人として歩む」という自らの生き方ではないでしょうか。
 「時間を取り戻す運動」、それはまた隔離を容認してきた私たちが、そのことによって見失ってきた人間のありかたを回復する運動であり、善意や無知、無関心といった、共なる解放を阻害する「内なる壁を壊し続ける、壁を転じて扉とする運動」です。
 隔離とは、名が奪われるということにあらわされるように、その人の存在を無かったことにしてしまう恐るべき政策です。
 しかしそこには間違いなく隔離の中でいのちを生き抜いた人がいたのです。その人たちの、悲しみ、痛み、怒り、驚き、喜び、叫びは、隔離の中になお自分自身の存在をこの世に証ししようとするものでした。その願いに呼応し、その人が確かにそこに生きたということを、今度は私たちの方から証
ししていく営みを始めなければならないのではないでしょうか。
 この集会においてはっきりと私に届いた声、それは「私はここにいます」という声です。その声を間いたひとりの責任として、宗祖親鸞聖人七百五十回御遠忌をお勤めするこの年に、震災に向き合い、「ハンセン病問題を背負う」ことから、次の50年に向けたあらたな扉を開いていきたいと思います。
2011年4月14日
  第8回真宗大谷派ハンセン病問題全国交流集会 参加者一同

一人ひとりの京都宣言2011 「行動指針」
 「願いから動きへ」を理念として取り組んできたこれまでの活動を振り返るとき、そこには間違いなく「願い」にうながされて「動き」出した「ひとり」がいた。そしてそのひとりによって、新たに動き出す新たなひとりを生み出してきた。交流の輪が広がる中で実感したもの、それは私たちの活動は広がり続ける運動にしていかなければならないということである。さらにその広がりはハンセン病問題だけにとどまるものではない。他に起こる様ノマな問題について、この私を問い、この時代社会に問いかけることにつながる運動。まさしく終わりなき運動である。
 貴賤、浄稿の観念が渦巻き、戦争や飢餓によりいのちがそこなわれる、まさしく濁世の中で、聖人は、その底辺に生きる人だちとのつながりの上に、人と人とが互いのいのちを尊び合う世界を、念仏の教えに見出していかれた。そのような聖人の教えと生きざまに、私たちの取り組みのあり方を絶えず照らし、私一人の課題として、ハンセン病問題を背負っていくことを指針として、次の活動に取り組んでいく。
 ① 地域から孤立しない安心して暮らせる療養所へ
 療養所を、隔離の場所から、地域から孤立しない、入所者が本当に安心して暮らせる場所に生まれ変わらす。これは入所者にとって死活問題であり悲願でもある。平均年齢81歳超。もうこれ以上解決を先延ばしにすることは、絶対にあってはならない。そのための切り札として制定された「ハンセン病問題基本法」は、現在たなざらしにされている。私たちは、基本法の理念に基づいた取り組みを、あらためて強く国や地方自治体に求め、市民として、療養所が隔離の場所から、解放の場所となるよう取り組んでいきたい。
 ② 療養所退所者、非入所者が安心して暮らせる社会へ
 現在、確認されるだけでも全国に約1300名の退所者、約80名の非入所者がおられる。「ハンセン病問題基本法」では、国や地方公共団体が、退所者
、非入所者に対する医療体制の整備と、日常生活、社会生活を円滑に営むことができるよう措置を講じることを定めている。しかし、法制定以降具体的施策を実施している地方自治体は皆無といってよい状態である。退所者のおかれている実態をよ<知り、偏見・差別の克服に向けて、啓発活動もふくめ、積極的な取り組みを行っていきたい。
 ③ ハンセン病回復者と家族、故郷との絆の回復に向けて
 この課題への取り組みは、ますハンセン病回復者、遺族・家族と、この問題に向き合っていこうとするものとの地道な交流から始まるのだと思う。そこで発せられる、一人ひとりの故郷や家族への叫びやささやきを聞きもらさす、それぞれの形での絆の回復に向けて取り組みを起こしていきたい。また、この課題を問い考える「揚」を絶えず開き続けていきたい。
 
 ④ 同朋会運動としてハンセン病問題に取り組む
 療養所を訪問する宗教者と、それを受け容れる入所者には「救うもの」と「救われるもの」という壁が存在した。その壁を突き崩し、扉と転ずることで、人間を非人間化させるものから共に解放されていく対等な関係を紡いでいく。まさしく一人の人間を同朋として見いだす、「われら」という世界を発見していく。それはそのまま、同朋会運動という名の取り組みといってよい。そのような運動を展開していきたい。
2011年4月14日
      第8回真宗大谷派ハンセン病問題全国交流集会 参加者一同
しばしお待ちを! もう少ししたら感じたことを書きとどめます。
大いに学びとてつもなく楽しい場でした。私にとってなぜかふるさとに帰ったような落ち着きがありました。スタッフの皆さまご苦労様でした。ありがとうございました。

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