法藏菩薩因位時 在世自在王佛所
<試訳>
法蔵菩薩という仏になりたいと願ったものが
世自在王仏という既に仏となっている者の導きにより 道を求めた
弥陀成仏のこのかたは
いまに十劫とときたれど
塵点久遠劫よりも
ひさしき仏とみえたまう
南無不可思議光仏
饒王仏のみことにて
十方浄土のなかよりぞ
本願選択摂取する
(浄土和讃)
乃往過去、久遠無量不可思議無央数劫に、錠光如来、世に出興して、無量の衆生を教化し度脱して、みな道を得せしめて乃し滅度を取りたまいき。次に如来ましましき。名をば光遠と曰う。次をば月光と名づく。次をば栴檀香と名づく。次をば善山王と名づく。次をば須弥天冠と名づく。次をば須弥等曜と名づく。次をば月色と名づく。次をば正念と名づく。次をば離垢と名づく。次をば無着と名づく。次をば龍天と名づく。次をば夜光と名づく。次をば安明頂と名づく。次をば不動地と名づく。次をば瑠璃妙華と名づく。次をば瑠璃金色と名づく。次をば金蔵と名づく。次をば焰光と名づく。次をば焰根と名づく。次をば地動と名づく。次をば月像と名づく。次をば日音と名づく。次をば解脱華と名づく。次をば荘厳光明と名づく。次をば海覚神通と名づく。次をば水光と名づく。次をば大香と名づく。次をば離塵垢と名づく。次をば捨厭意と名づく。次をば宝焰と名づく。次をば妙頂と名づく。次をば勇立と名づく。次をば功徳持慧と名づく。次をば蔽日月光と名づく。次をば日月瑠璃光と名づく。次をば無上瑠璃光と名づく。次をば最上首と名づく。次をば菩提華と名づく。次をば月明と名づく。次をば日光と名づく。次をば華色王と名づく。次をば水月光と名づく。次をば除痴瞑と名づく。次をば度蓋行と名づく。次をば浄信と名づく。次をば善宿と名づく。次をば威神と名づく。次をば法慧と名づく。次をば鸞音と名づく。次をば師子音と名づく。次をば龍音と名づく。次をば処世と名づく。かくのごときの諸仏、みなことごとくすでに過ぎたまいき。
その時に次に仏ましましき。世自在王、如来・応供・等正覚・明行足・善逝・世間解・無上士・調御丈夫・天人師・仏・世尊と名づけたてまつる
時に国王ましましき。仏の説法を聞きて心に悦予を懐き、尋ち無上正真道の意を発しき。国を棄て、王を捐てて、行じて沙門と作り、号して法蔵と曰いき。高才勇哲にして、世と超異せり。世自在王如来の所に詣でて、仏の足を稽首し、右に繞ること三帀して、長跪し合掌して頌をもって讃じて曰わく、
光顔魏魏として、威神極まりましまさず。
かくのごときの焰明、与に等しき者なし。
日月・摩尼 珠光・焰耀も
みなことごとく隠蔽して、猶し聚墨のごとし。
如来の容顔、世に超えて倫なし。
正覚の大音、響き十方に流る。
戒聞・精進・三昧・智慧、
威徳侶なし、殊勝希有なり。
深く諦かに善く、諸仏の法海を念じ、
深を窮め奥を尽くして、その涯底を究む。
無明・欲・怒、世尊永くましまさず。
人雄・師子、神徳無量なり。
功勲広大にして、智慧深妙なり。
光明・威相、大千に震動す。
願わくは我作仏して、聖法の王と斉しからん。
生死を過度して、解脱せずということなからしむ。
布施・調意・戒・忍・精進、
かくのごときの三昧、智慧上れたりとせん。
吾誓う、仏を得んに、普くこの願を行ぜん。
一切の恐懼に、ために大安を作さん。
たとい仏まします。 百千億万、
無量の大聖、 数、恒沙のごとくならん。
一切の、 これらの諸仏を供養せんよりは、
道を求めて、 堅正にして却かざらんには如かじ。
たとえば恒沙のごときの 諸仏の世界、
また計うべからず。 無数の刹土、
光明ことごとく照らして、 このもろもろの国に遍くせん。
かくのごとく精進にして、威神量り難からん。
我仏に作らん、 国土をして第一ならしめん。
その衆、奇妙にして、 道場、超絶ならん。
国泥洹のごとくして、 等双なけん。
我当に哀愍して、一切を度脱せん。
仏、阿難に告げたまわく、「法蔵比丘、この頌を説き已りて、仏に白して言さく、「唯然り。世尊、我無上正覚の心を発せり。願わくは、仏、我がために広く経法を宣べたまえ。我当に修行して仏国を摂取し、清浄に無量の妙土を荘厳すべし。我世において速やかに正覚を成らしめて、もろもろの生死・勤苦の本を抜かしめん。」」